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生徒からの疑問(1)
ある中学校の生徒から興味深い質問をされました。「数学の『証明』って学ぶ必要ってあるの?」という純粋な疑問です。実生活において、確かに「証明」の方法を実践している場面を想像すると「論破」する時くらいしかイメージがありませんね。しかし、私が生徒に言った答えは、「『証明』は非常に重要です。」ということです。例えば、何かを買って欲しい時、単に「買って欲しい。」だけでは、誰も納得しません。まず、仮定として、それを自分に買い与えた場合にもたらされる効果の説明。次に、その結果としてお金を出す人に対してどのようなメリットがあるのかの説明。最後に以上の理由から「買い与えた方が良い。」という結論を導くことで納得してもらえます。この流れを見ると、最初に買い与えた場合を提示し(仮定)、次にその結果としての効能及びメリット提示(論拠の説明)、最後に結論として「買って欲しい。」という内容の提示があります。よく見ると、「証明」の問題に対する解答法をそのまま利用しています。このように一見すると、使っていないように感じているものですが、普通に日常生活で有用です。大学生の場合、問題提起→結論の主張→結論を出すためのの論拠の提示→結論への帰結という形で結ぶと普通にレポートを書けます。大人でもほぼ同じ方法で説得力を持った説明が可能です。だからこそ「証明」の勉強は非常に重要です。
ここまで読んでいただいて納得して下さった方は、もうお気づきだと思います。上記の文章も最初に「『証明』は非常に重要である。」という結論からその論拠を述べ、最終的に最初に述べた結論に帰結しています。要するに証明そのものだったのです。この話を読んで、「証明」って実用性があって面白いなと思っていただけたなら、一人の教育者として純粋に嬉しく思います。ただ、現代の子供たちと接して感じるのは、実用的な学びを好む反面、仮想的で実用性に乏しいものや納得できないものに対して取り組むことを嫌がる姿勢が私達大人よりも強いことです。子供の視点では実用的でない物であっても、その理由や意義を大人が説明できるのであれば納得して取り組みます。今の子供たちに勉強を学ばせる上で重要なのは、「大人の説得力」だと思います。単に「勉強しなさい。」では動いてくれないのが現代の子供たちです。私達教育者は子供たちに対して大人と接する以上に丁寧で説得力のある説明が求められていると思います。
ここまで読んでいただいて納得して下さった方は、もうお気づきだと思います。上記の文章も最初に「『証明』は非常に重要である。」という結論からその論拠を述べ、最終的に最初に述べた結論に帰結しています。要するに証明そのものだったのです。この話を読んで、「証明」って実用性があって面白いなと思っていただけたなら、一人の教育者として純粋に嬉しく思います。ただ、現代の子供たちと接して感じるのは、実用的な学びを好む反面、仮想的で実用性に乏しいものや納得できないものに対して取り組むことを嫌がる姿勢が私達大人よりも強いことです。子供の視点では実用的でない物であっても、その理由や意義を大人が説明できるのであれば納得して取り組みます。今の子供たちに勉強を学ばせる上で重要なのは、「大人の説得力」だと思います。単に「勉強しなさい。」では動いてくれないのが現代の子供たちです。私達教育者は子供たちに対して大人と接する以上に丁寧で説得力のある説明が求められていると思います。