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2回目の大学院生活1
修士号を2013年に近畿大学大学院で取得しましたが、現在は専修免許取得の為に大阪公立大学の大学院理学研究科に科目等履修生として参加させて頂いています。11年ぶりの大学院講義で『化学』の勉強を行っていますが、本当に奥深いと思うと同時にこれまでの自分の不勉強さを思い知りました。長い間『化学』から遠のいていたこともありますが、それを差し引いても本当に難易度が高いです。基礎知識がしっかりしていないと本当についていくだけでも大変です。私が理学専攻であることも一因かもしれませんが、大学院の講義は学問の根源に近くなり、基礎理論を中心に学習します。ある種「当たり前」と思ってきたことについて意外と知らないことに気づかされます。単純な例で言いますと、『重力』等が身近でしょうか。空中で物から手を離すと「当たり前」に落下します。この理由を完全に説明できるでしょうか?「重力とは何か?」・「重力加速度はどのようにして計算されているのか?」・「地球上のどこであっても重力は一定なのか?」違う方向から先述の『重力』を見てみると意外と説明に困ることが多いです。このようにある事象を説明するために必要な根源に迫っていくような学問が大学院では学べます。自分が知っている気になってしまっているという現実を直視しなければいけません。そういう意味で本当に厳しい世界だと思います。私も最初は久しぶり過ぎて、ほとんど意味不明でした。4カ月の学習である程度は追いつきましたが、まだまだ現役の学生さんに追いつくのは時間がかかりそうです。それでも大学院に行く価値は大いにありました。ソクラテスの言葉として、『不知の自覚』があります。これは自分が知らないということを自覚することで学問において、自分がそのスタート地点に立てることを意味します。よく「わからない。」という人は、そもそも「『何がわからないのか』がわからない。」と言われます。それと同じです。「何がわからないのか?」ここを知ることで勉強すべき方向が見えてきます。私の場合は、「有機合成の反応経路に関して、電子の移動経路がわかっていない。」ということが明らかになりました。また、量子化学において「Hartree-Fock法とはそもそも何なのか?量子論とは如何なるものなのか?」という根本的な部分がわかっていないこともわかりました。自分のわかっていた気になってしまっていたことに関して、本当に良い気付きが得られたことに感謝するしかありません。夏休み期間を利用して、自分の弱点箇所の克服を図る予定です。
目の前の「当たり前」にもう一度目を向けて見直すことで新たな知見が得られるかもしれません。
目の前の「当たり前」にもう一度目を向けて見直すことで新たな知見が得られるかもしれません。