ブログ
2回目の大学院生活2
前述のように大学院の授業は内容が高度です。それだけでなく、課題も多いのが特徴です。科目にもよりますが、ほぼ毎週課題提出があります。それに加えて数週間の提出期間が設けられた大型の課題も存在します。「めちゃくちゃ厳しいな。」と思う反面、「行って良かった。」とも思います。例えば高校レベルの化学では二酸化炭素(CO2)は、環境問題の原因物質であるという認識ですし、炭素を最大まで酸化した安定的な化合物であるという認識しかないと思います。しかし、工業分野においては非常に有用な原料として見られています。この両者の認識の違いはどこから来ているのでしょうか?答えは『純度』です。低濃度の二酸化炭素は温室効果ガスとして、地球温暖化に寄与する厄介な物質です。しかし、極めて高濃度で純度の高い二酸化炭素は炭酸ガスやドライアイスとしてレーザーへの使用やコンクリートへの利用、触媒を利用して特定の化合物を生み出す原料として活躍します。こういった内容も授業では取り上げられます。私が学んでいた時代から既に10年以上経過しました。10年という月日は、携帯電話が初めてインターネットと接続した日からスマートフォンの登場までの時間以上に長い歳月です。当然、前提としている常識も変化しています。教科書で取り上げられている内容が決して悪いわけではありませんが、あくまでも確立した技術であったり内容として固定化できたものが記載されています。すなわち、研究途上のものやまだ不確定要素の強いものは、「~のような研究も行われています。」という一文以外は掲載されにくい状態です。そういった最新の研究内容を知る機会が大学院の講義には存在します。大学院の講義を担当している先生方は大学院修了後に研究者や技術者として働くことを前提として教えます。つまり、業界のトレンドを授業に取り入れる傾向が強いのです。前期の無機化学特論では、半導体や完全固体電池等の最先端科学についても触れられていました。理学は工学と異なり先端技術よりも根本的な理論を学ぶ機会が多いです。しかし、工学分野への入り口も学ぶ機会があるのです。
確かに勉強は難しいですし、授業についていくだけでも大変です。ですが、それらが生徒に対して新しい知見をもたらすきっかけになると考えればとても有意義なものであると思います。自分が出来ないことを直視するのは覚悟が要りますが、生徒の気持ちを共有するのに役立ちます。こういった意味でも大学院に行き直して良かったと私は思っていますし、これを読んでくださった方やその子供さんにも是非一度大学院に行ってもらいたいと思います。
確かに勉強は難しいですし、授業についていくだけでも大変です。ですが、それらが生徒に対して新しい知見をもたらすきっかけになると考えればとても有意義なものであると思います。自分が出来ないことを直視するのは覚悟が要りますが、生徒の気持ちを共有するのに役立ちます。こういった意味でも大学院に行き直して良かったと私は思っていますし、これを読んでくださった方やその子供さんにも是非一度大学院に行ってもらいたいと思います。